また会おう

僕の中の街が死ぬ。10年の時を経て。

見上げた夜空にはそこかしこに光。西の空に大きな金星。結局最後まであの等間隔に並ぶ星の名前が分からなかったな。星にもちゃんと色があって、なんだか皆が弱々しくも「僕はここにいるよ」って問いかけてきている。小さく震えたその瞳が、温もりが、生きてる何よりの証拠で。こんなにもかけがえのない大事なもので。星からしてみたらたった10年っていう短い時間だけど、それでも僕の幾つもの願いを聞き入れてくれた。

そんなことを思うと、もうなんだか涙が止まらなかった。

 

明日僕の中の街が死ぬ。ありがとう、僕の一番愛していた街。また会おう。